ジェニー・フィールズは恋愛や結婚ぬきで息子のガープを産み育てた。のちに出版した自叙伝がブームを呼び、女性運動の指導者にまつりあげられる。ガープは作家になったが、その作品や行動はしばしば誤解される。
熱狂的な支持と批判を浴びる親子がたどる人生と、その衝撃的な結末とは。
評価=☆☆☆☆ (5点満点)
ジェニーが未婚でガープを産んだのは、男に裏切られてどうこうという哀しい理由からではないし、女性運動を表立って支持するつもりもなかった。単純に「結婚ぬきで子供が欲しい」と思っただけなんですね。
しかしレイプや暴力で傷ついた女性たちがジェニーを熱狂的に支持するようになり、ジェニーは看護婦という仕事柄か、気の毒な人々を放っておけません。一方、ジェニーが未婚で出産したことを心情的に受け入れられない人々からの批判もあります。それに対してジェニーは超然とした態度を保ちます。
ジェニーの真意を理解していないという意味では、支持派も批判派も似たようなものです。そして熱狂の度が過ぎると、過激な行動に出る者が現れます。
ガープは母親ゆずりの意志の強さを持っていますが、母親と違うのは、批判されると黙ってはいられないところ。これが火に油を注ぐ結果となり、母と息子の人生に悲劇をもたらします。
壮大な詰め将棋みたいでした。上巻で駒の配置が説明され、それらの駒を下巻で巧みに動かして詰みに持っていく。上巻で挫折しちゃうと下巻の面白さを放棄することになります。(私は挫折しかけました……)
コミカルな描き方ながら暴力的なシーンや下ネタが多いので、好みは分かれる作品でしょうが、読後感は不思議と悪くありません。
上下に分かれた文庫版よりも、ハードカバーで一気読みすべき作品かもしれませんね。
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そうですね。現実にありそうな、なさそうな、不思議な感じがありました。他のアーヴィング作品も少しずつ読んでみたいと思っています。
[2008/12/05 10:03]
ぱんどら
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編集 ]
アーヴィングは、暗い陰鬱な物語を書いても、なんとなくユーモアがあって、ちょっと浮世離れた感じがするんですよね。それが物足りないって感じる人もいるようですが、あれがないとアーヴィングじゃない!(ドンッ)と思います。
ちなみに私にとってのアーヴィング・ベストは「熊を放つ」です。
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