ビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)が乗った飛行機は、アメリカのジョン・F・ケネディ国際空港に到着した。
だが飛行機の離陸直後に、ビクターの母国でクーデターが勃発、政権は崩壊。パスポートは無効となり、入国ビザも取り消された。そのためアメリカへの入国を許可されず、さりとて帰国することもできないビクターは、空港ターミナルでの生活を余儀なくされる。
評価=☆☆☆ (5つ星が最高点です)
「なにゆえにお役所仕事はこんなに愚かしいのか!」と、ふつふつと電子ポットのように感情を沸きたたせながらの映画鑑賞となりました。(すみません。短気なもので……)
いくら政権が崩壊したとはいえ、たかだか罪のない旅行者ひとり、なにか緊急の措置を講じてパスポートやビザをどうにかしてやれないのか、と思うわけです。
しかし主人公のビクターはメゲることなく、空港内で金を稼ぐ手段を見つけます。また、母国語で書かれたガイドブックを英語版のそれと比較して読んで、英語を習得するんですね。この前向きな姿勢が大変よろしい。
やがてビクターは空港の従業員たちと仲よくなり、客室乗務員のアメリア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)との関係も良いほうへと発展。
いっぽう空港の保安責任者は、自分の保身ばっかり考えて、ビクターを救おうとしないどころか嫌がらせをします。ここに彼とビクターとの対立の構図ができあがります。
最初から美味しいと分かっているものを食べて「ああ美味しかった」と満足するような、間違いがないというか、安定感があるというか、そんな作品だと思います。
ちなみに本作は、シャルル・ド・ゴール国際空港で16年も生活したイラン難民のアルフレッド・メヘランさんがモデルになったと言われ、メヘランさんに「ドリームワークスから映画化権料として25万ドルが支払われた」という報道もあったそうです。
ただし公的には、メヘランさんと本作とは無関係とされているようで、なんだか訳が分かりません。
でも私は映画を見る前にメヘランさんの話を知っていたので、ドリームワークスやスピルバーグ監督の見解がどうであろうと、メヘランさんの話を思い出してしまいます。
この映画よりもう少し複雑な、メヘランさんの空港生活については、こちらの本をどうぞ。
