山之内正文【八月の熱い雨】 

便利屋〈ダブルフォロー〉奮闘記。


八月の熱い雨 <便利屋<ダブルフォロー>奮闘記>八月の熱い雨
便利屋<ダブルフォロー>奮闘記

(2006/08/30)
山之内 正文

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う〜ん……無念の途中リタイヤ。

「八月の熱い雨」というタイトルに惹かれて読んでみましたが、「熱い」というほど熱くないし、「雨」というほど泣けもしない。

便利屋〈ダブルフォロー〉の経営者は、皆瀬泉水(みなせ・いずみ)という男ですが、「25歳で彼女いない歴25年」と書いてあるだけで、他にこれといった特徴が見えず、妄想キャスティングのしようがありません。

もしかしたら途中でリタイヤせずに最後まで読みきれば、皆瀬という男のキャラクターも浮かんでくるのかもしれませんが……

文章が無味無臭だし、出来事が時系列にそって並べてあるだけで構成の妙もなく、読む気が急激に失せました。

同じ「便利屋」の話なら、三浦しをん【まほろ駅前多田便利軒】のほうが面白いと思います。



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[2007/11/08 14:18] や行の作家 | TB(0) | CM(2)

山口晃【山口晃作品集】 

2007年8月25日(土)のNHK教育テレビ『トップランナー』を見て、思わずアマゾンに注文してしまった画集です。

NHK『トップランナー』




山口晃作品集山口晃作品集
(2004/10)
山口 晃

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番組では、山口さんが大きな紙にむかって絵筆をふるったり、小さなスケッチブックにマジックで、スタジオ内の機材を描きとったりしておられました。

美しい男性に絵筆という武器がそなわったら、これはもう無敵であります。

そして語る言葉の端々に並々ならぬ知性と感性があふれている。

描き手も作品も興味深い。


山口晃 / Akira Yamaguchi -MIZUMA ART GALLERY-



山口晃作品


[2007/08/31 13:47] や行の作家 | TB(0) | CM(0)

吉田篤弘【フィンガーボウルの話のつづき】 

私にとっては究極の「おいしい空気本」。



とにかく本書ではストーリーよりも空気を味わいたい。そんな短いお話がいっぱい詰まってる。

読み終えてしまうのが惜しい気がした。

ベッドサイドに置いといて、眠る前に少しずつ読むのもいいかも。



……というわけで、あまりゴタゴタ説明するのも野暮なので、これにて失礼。



フィンガーボウルの話のつづき フィンガーボウルの話のつづき
吉田 篤弘 (2001/09)
新潮社

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[2007/02/28 14:19] や行の作家 | TB(2) | CM(0)

山田詠美【風味絶佳】 

同級生で、カッコいい男の子がいた。

背が高くて肩幅があり(まるで吉川晃司だ)、先輩に受けがよく、友達として楽しく、後輩に慕われ、どこかでケンカを売られても負けやしない。そういうやつ。

女の子にはモテた。というか、


狙った女の子を確実にとらえる技


を知っていた。


「女にはアメとムチ。わかる? 怒る時にムチャクチャ厳しく怒って、その後でムチャクチャ優しくすんの。これで百発百中」


そんな話を人前で自慢げに披露するやつだから、やつを知ってる女の子はみんな警戒する。でもカッコいい男の子だから、つい気をゆるめてフラフラっとなる女の子がいる。

私は「こういうオトコには気をつけないとねー」と言いながら、やつの手中に落ちた女の子たちが味わうことになる


極上の甘み


を想像して、ちょっとうらやましくなった。

甘みの後に待っている辛みや苦みも、やつを見ていれば想像がついた。それでも、ときどき磁石みたいに心が引き寄せられるから、やつとは常に適切な車間距離を保つように心がけていた。



その「適切な車間距離」が破られたかどうかは、あなたのご想像にお任せするとして。

この本を読んでいたら、もう長いこと会っていない「やつ」のことを思い出してしまった。



たぶん私が山田詠美の小説をまともに読んだのは、これが初めて。

山田詠美って、私の中では「Hっぽいものを書く作家」というイメージがあった。

そういう人が「絶佳」と言い切る「風味」って、ベッタベタに甘いんでしょ。私、ダメなのよ、そういうの。と勝手に思っていた。

でも女性に人気があるよね、山田詠美って。「大好き!」とか言っちゃう人も多いし。この【風味絶佳】も、世間ではすごく評判がいい。



そんな世間の風に押されるようにして、思いきって読んでみたけれど、これはいいね。

甘くとろけるような場面はあるけど、ほんの少しの苦みや辛みが添えられて引き締まってる。まさに風味絶佳。山田詠美ってすごいな。



でも、こういうのは小説の中だけでいい。

私は根性ナシ子だから。

アメとムチの男なんて、思い出だけで充分に痛い。





風味絶佳 風味絶佳
山田 詠美 (2005/05/15)
文藝春秋
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[2006/04/10 17:04] や行の作家 | TB(10) | CM(7)