加藤実秋【インディゴの夜 チョコレートビースト】 

このまえ読んだ【インディゴの夜】の続編。とくに目新しいとも思えないが安定した面白さは、前作と変わらない。

これは長いシリーズ物になるんだろうか?

本書を最後まで読んだら、謎のマネージャー「憂夜」の正体がわかって、物語が終わるんじゃないかと思っていたが、


終わる気配は全然ない。


まぁホストクラブ ≪ club indigo ≫ のホストひとりひとりにスポットライトを当てていけば、いくらでも物語はつくれそうだ。

そもそもホストクラブのオーナー「高原晶」(たかはら・あきら)のことも、わからないと言えばわからない。マネージャーの「憂夜」にしても、共同オーナーの「塩谷」にしても、私生活についてはほとんど語られていない。

もしかしたら今後は主要な登場人物たちの過去が明らかにされてゆくのかもしれない。



そんな私の推測はともかく、本作は前作から続いて、club indigo のオーナー高原晶が人に頼まれてイヤイヤながら探偵まがいの仕事を引き受ける話。連作短編集である。

高原晶は気の強い女性だが、あまり思慮ぶかいタイプとは言えない。だから危険な状況に陥ることも多い。

しかし小説の中の話である。ヒロインが危機に陥ったら、塩谷や憂夜や club indigo のホストたちが必ず助けに来る――と分かっているのに、けっこうハラハラしながら読んだ。



前作と比べると、どきどきハラハラのアクションシーンが多めな気がする。

そのため、事件のカラクリの説明は、物語の後半に追いやられ、まとめて語られがち。

2時間もののサスペンスドラマでは、よく崖っぷちで船越英一郎とか片平なぎさが犯人を前にして事件を説明してくれる。わかりやすいがチープ感は否めない。あんな感じがこの小説にもある。



このブログでは前作の【インディゴの夜】について「ドラマ化してもいいかも」と書いたが、そうすると2時間ドラマのチープ感ばかりが出てしまいそうな気がする。

ホストたちのファッションや、アクションシーンの「派手さ」を楽しむなら、コミック化するほうがいいかもしれない。できれば一条ゆかり先生の絵でお願いします。


有閑倶楽部あらかると―一条ゆかりの世界 有閑倶楽部あらかると―一条ゆかりの世界
一条 ゆかり (1996/09)
集英社
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インディゴの夜 チョコレートビースト インディゴの夜 チョコレートビースト
加藤 実秋 (2006/04/11)
東京創元社

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[2006/09/10 14:43] 加藤実秋 | TB(11) | CM(2)

加藤実秋【インディゴの夜】 

主人公の「高原晶」(たかはら・あきら)は男みたいな名前だが、女性のフリーライターであり、ホストクラブ ≪ club indigo ≫ のオーナーでもある。

昔はバリバリのヤンキーで、今はライターという仕事柄、いろいろなところへ取材に行くから、ちょっとヤバめの夜の街なんか一人で歩いても全然へいきな、たくましい女性である。自分の店で雇っているホストたちにもナメられることがない。むしろ「晶さん、俺らとプライベートで遊んでくださいよ」とか言われるような姉御肌である。

店には、ホストの元締めみたいな「憂夜」という優秀なマネージャーがいる。



こういう設定はすごく便利だ。

夜の街で何か事件が起こる。高原晶は探偵ではないが、知り合いのオカマバーのママに「お願い!」と頼まれて、「しょうがないなぁ」なんて言って調査に乗り出す――といった展開がものすごく自然だ。フリーライターだから、取材と称してヤバい店に潜入しちゃっても変じゃないし。

ヤバい店のウラ事情を調べるときは、憂夜さんに訊けば「ああ、あの店のことなら知ってますよ」となって一発解決。

調査に使う車を用意するにしても、「憂夜が車を手配した」と書けば、それ以上の説明が要らない。凄腕のマネージャーは顔が広いから、車の1台や2台、どうにでもなるのだ。



どこかで見たようなストーリーだとは思うけど、安定した面白さがあるね。

ドラマ化の話はないんだろうか?

ヒロインの「高原晶」とマネージャーの「憂夜」にキャリアのある役者さんを置いて引き締めれば、あとはホスト役にジャニーズ事務所の若手タレントを大量に投入してもいいだろうしね。



たとえば私が思い浮かべた「高原晶」は……

ベタなところで高島礼子。

高島礼子


小泉今日子でもいいかなー。

小泉今日子


できれば脚本は宮藤官九郎でよろしく。



インディゴの夜 インディゴの夜
加藤 実秋 (2005/03/01)
東京創元社

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[2006/09/03 14:23] 加藤実秋 | TB(17) | CM(8)