向田邦子のエッセイは気が向くと時々読んでいる。
このかたは52歳で飛行機事故に遭って亡くなられた。著書の数はそれほど多くないだろうと思っていたが、まだ全ての作品を読み終えていない。
読んだ限りで言えば、どれも地味な内容でありながら、なんだかジワジワと良さが沁みてくるような感じ。
向田さんと交流が深かった久世光彦さんのエッセイも好きで、とくに【触れもせで】は良い。向田さんの死後に刊行された本であり、久世さんの悲しみがじわじわと伝わってくるのである。
向田さんが「縦の会」というエッセイに書いておられた「某テレビ局のディレクター」からもらったという万年筆だが、これはおそらく久世さんのことである。
久世さんも【触れもせで】の中で万年筆について書いておられる。
両方のエッセイを読むと、久世さんと向田さんが既にこの世の人でないことを忘れてしまう。
小説を読みながら、「これを映画化・ドラマ化するとしたら、どの俳優さんにご出演ねがうか」を考えるのが大好きだ。
向田邦子さんも「ホームドラマのお父さん役にお願いしたい三人」というタイトルでエッセイを書いておられた。
もちろん向田さんは脚本家として世に出た人だから、ドラマの配役を考えることはお仕事の一環だったと思う。
でもテレビの世界は、スポンサーの意向があったり、芸能プロダクションから「このタレントをよろしくお願いします」と売り込みをかけられたりすることもあるだろう。素人の私は業界のことを推測するしかないが、いくら人気脚本家でも、すべてを一人で決めるのは無理ではないだろうか。
他人の都合は一切ぬきにして、自分の頭の中だけで、あれこれ考えるのは楽しい。プロの脚本家であった向田さんだって、楽しかったはずだ。
向田さんもキャスティング妄想でエッセイを書いておられたのだから、われわれ素人の読書ブロガーは、もっと自由に、いろいろ書いていいと思うのね。
本の帯にある宣伝文句なんか、わざわざタイピングしてブログに載せなくてもいいしさ。
(ああいうのは出版社のほうで考えるものでしょ、たぶん。必ずしも作者の意図と合致しているとは思えない)
本の情報を正しく伝えたいというブロガーの意図が、そこにはあると思うけど、本ってさ、結局は読んでみなきゃ中身がわからないじゃない?
百聞は一見に如かず。100のブログは、一読に如かず。
もしかしたら「ぱんどらは本の話じゃなくて自分の話ばっかりブログに書きやがって」と思われているかもしれない。
私はネタバレが大嫌いだ。ネタをバラされるのもイヤだし、自分からネタをバラすのもイヤだ。
だから、本のあらすじなんて書きたくない。でも面白いと思った本は人に勧めたい。
「ぱんどらのブログは自分の話ばっかり書いてあるのに、なんだか本を読みたくなる」と言われるようなブログをめざしている。