自転車ロードレースの「チーム・オッジ」に所属する白石誓は、エースの石尾豪を支えるアシストとして、地味ながらも確実に仕事をこなす。 しかし「石尾は自分が勝つために選手を一人つぶした」という噂がある。石尾を尊敬する誓(ちか)は、ただの噂だと受け流すが、心に不安を残したままレース本番に臨む。 第10回大藪春彦賞受賞作。 評価=☆☆☆☆☆ (5つ星が満点) 自転車ロードレースが体力と知力を要する緻密なスポーツであることを、本書で初めて知りました。 個人競技ながら団体競技に近い。勝つために走る「エース」と、エースを勝たせるために走る「アシスト」という役割分担がある。エースが勝てば記録に残り、アシストは「いい仕事をした」と誉められるだけで記録はされない。 しかし役割分担は必ずしも固定的ではありません。アシストからエースに抜擢される可能性はあるし、レース展開によっては役割分担を捨てて、アシストでも自分のための走りに徹することがあります。 ヨーロッパでは「紳士のスポーツ」と呼ばれ、「ルール違反ではないが、やってはいけないこと」が暗黙のうちに決められています。それに反しない範囲で戦略を立て、「おれがこう走れば相手はこう来るだろう」と敵方の心理を読みながらレースを戦います。 コースは平地もありますが、起伏が激しいこともあり、下手な走りをすれば命を落としかねません。 レースに臨む選手たちの心情もさまざま。ある者は「今はアシストの地位に甘んじているが、いつか必ずエースになるぞ」と闘志を燃やし、またある者は「どうせオレは万年アシストさ」と劣等感を抱く。なかにはエースのために払った犠牲が大きすぎて、恨みを抱く者もいます。 主人公の白石誓は、高校時代に陸上競技の選手として名を馳せ、オリンピック出場も有望視されたのに、勝つことだけを考えて走ることに疑問を感じて陸上界を去りました。そして自転車ロードレースにおけるアシストの「人のために走る」ことに意味を見いだします。 いっぽう、チーム・オッジのエース石尾は孤高の人。飛行機の中でも、ホテルでも、すぐに眠って身体を休め、練習やレースに備えます。口数が少なく、つねに勝つことを第一に考えて行動します。 だからこそ、誓は「石尾は勝つために選手を一人つぶした」という疑惑を完全に捨てきれず、かといって本人に真相を問いただすこともできません。 うっかり手を触れれば切れて血が出る刃物のような緊張感がはりつめる中、選手たちの戦略と思惑が交錯する。そんな自転車ロードレースで、誓は自分自身を知り、真のエースとはどういう存在であるかを知ります。 少々とっつきにくい感じもありますが、ゆっくり読んで端正な文体をかみしめました。ラストは感動的でカッコいい。 妄想キャスティング。 主人公の「白石誓」に、福士誠治。  
お笑いコンビ・麒麟の田村裕による自伝小説を、東宝が映画化。主演は小池徹平。2008年の秋に公開予定。 フジテレビによるスペシャルドラマ化も決定。2008年7月の放送予定。主演はオーディションで選ばれた新人子役の黒木辰哉。 デイリースポーツonlineの記事
■小説部門 荻野アンナ『蟹と彼と私』 ■評論部門 穂村弘『短歌の友人』 Sponichi Annexの記事
宮部みゆきの長編小説を、森田芳光監督が自身の脚本で映画化。 東京都内で連続女性誘拐殺人事件が起こった。犯人はマスコミを手玉にとり、殺人現場を生中継して世間を震撼させる。 フリーライターの前畑滋子(木村佳乃)は犯人を追うが、滋子の家族にまで犯人の魔の手は及ぼうとしていた。 評価=☆☆☆ (5つ星が満点) もし「模倣犯」世論調査というものがあるとすれば、まず間違いなく宮部みゆきの小説のほうが高い支持率を得ると思います。 だいたい小説の映画化においては、映画が「小説と違う!」と批判されるのが通り相場。 しかしこの作品の場合、原作小説をすっかりそのまま映画化して2時間におさめるのは難しいでしょう。 宮部みゆきの小説では、きめ細かい筆致で被害者家族と加害者家族の苦悩や悲しみを描き、犯人の卑劣さを際立たせています。 大長編小説です。単行本は2段組の分厚い上・下巻。文庫本でも5巻にわたる長さ。 映画では、犯人の凶悪性・猟奇性を前面に出し、キレのある映像で事件の流れを追います。 森田監督らしい小ネタもふんだんにちりばめられています。まあ私なんかは凡人ですから、意味がよくわかりませんが、きっと左脳で意味を考えちゃダメなんでしょうね。 (DVDの特典映像として「映画『模倣犯』44の謎チャプター」がついており、これを見れば凡人の私でもわかるかと思いましたが……かえって混乱しました) 犯人グループの一人を演じた津田寛治にはゾッとさせられました。女がさわった10円玉を口の中に入れて笑うんです。怖いよー。 主演の中居正広はソツのない演技で、悪くありません。ジャニーズからは中居くんのほか、田口淳之介が出てます。ジャニーズはこういうところに若手を押し込むのがうまい。 前畑滋子役の木村佳乃は冴えませんね。演技がうまくないというより、だれがこんな演技つけちゃったの、という感じ。 それでも前半は小説を映像でうまく「翻訳」したという印象です。しかし後半は小説の文字情報にひきずられてしまったのか、どうもピリッとしません。 ラストで「驚愕の爆発シーンがある」と聞いていて、それはそれは驚きましたが、実はそのあとにもう一ひねりあるんですね。 あまりにも唐突で、整合性に欠けていて、爆発シーンを上まわる衝撃(あるいは笑撃)を受けました。どのようなシーンであるかは説明を控えさせていただきます。 私が原作者だったら試写会で卒倒しますね。 あれはジャニーズのタレントさんに悪いイメージを残さぬように……という配慮なのでしょうか。 そういう横ヤリがジャニーズ側から入ったとすれば、森田監督にも同情の余地はあると思いますが、皆さんのお考えはいかがでしょうか。 
ハリウッドスターのボブ・ハリス(ビル・マーレイ)は、CM撮影のため日本へやってきた。日本語も日本文化もよく知らない彼には、見聞きするものすべてが奇妙に思えて仕方ない。 独り寝の夜を持てあまし、ホテルのバーへやってきたボブの前に現れたのは、カメラマンの夫に同行して日本を訪れたというシャーロット(スカーレット・ヨハンソン)であった。 評価=☆☆☆ (5つ星が満点) 日本全国の英語学習者にとっては、けっこう辛辣な作品です。 「どうして日本人はLとRの発音がヘタなのかしら?」というセリフがあって、思わず「うるさいよ」とツッコミを入れました。私らも好きこのんでヘタに発音してるわけではない。 まあアメリカ人には日本人の英語の弱点なんて分かりませんから。こういう映画DVDを内容も知らずにレンタルしてしまったら、もう苦笑するしかありません。 スカーレット・ヨハンソンという女優は色っぽいですね。とくに積極的に肌を見せるわけでもないのに、色気が漂います。そのくせ影があって、知的な印象もある。 あんまり複雑なストーリーはありません。要するに寂しい男女が出会って、いずれ別れのときが来るとわかっていながら楽しいひとときを過ごしました、というお話で、まあラストシーンはなかなか切ない。 日本の人気コメディアンという役柄で藤井隆が出演しています。 しかし日本を小ばかにしたような作品に、なぜ日本人のタレントが出演を承諾するのか。ハリウッド映画に出られれば内容や役柄はどうでもいいのか。 私にはよくわかりません。 
選考会は2008年5月15日に行われる。 新潮社 公式ページ■三島由紀夫賞候補作 本谷有希子『遭難、』 藤谷治『いつか棺桶はやってくる』 日和聡子『おのごろじま』 田中慎弥『切れた鎖』 前田司郎『誰かが手を、握っているような気がしてならない』 黒川創『かもめの日』 ■山本周五郎賞候補作 今野敏『果断 隠蔽捜査2』 海堂尊『ブラックペアン1988』 伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』 北重人『月芝居』 道尾秀介『ラットマン』 
出演は松山ケンイチ、小雪。監督は崔洋一。2009年公開。 菊地凛子が撮影中に重傷を負って降板したため、小雪が代役をつとめる。 nikkansports.comの記事
直木賞受賞作。スタジオジブリによってアニメ映画化、日本テレビによってスペシャルドラマ化もされた作品。 日向寺太郎監督がメガホンを取り、兵庫県でロケを敢行。松田聖子が母親役で出演。 2008年7月5日より東京・岩波ホールで公開。 東京新聞の記事
MSN産経ニュースの記事■大賞 作・広瀬寿子、絵・ささめやゆき『ぼくらは「コウモリ」穴をぬけて』 ■JR賞 文・写真 池田啓『コウノトリがおしえてくれた』 ■美術賞 文・松谷みよ子、絵・司修『山をはこんだ九ひきの竜』 ■産経新聞社賞 本多明『幸子の庭』 ■フジテレビ賞 作・中島晶子、画・つるみゆき『牧場犬になったマヤ』 ■ニッポン放送賞 文・すとうあさえ、絵・さいとうしのぶ『子どもと楽しむ行事とあそびのえほん』 ■翻訳作品賞 文 ユン・ソクチュン、絵 イ・ヨンギョン、訳 かみやにじ『よじはん よじはん』 
アキラとシゲルは、故郷の期待を背負って厳しい入学試験を勝ち抜き、栄光の「大東京学園」の門をくぐった。 それは入学試験を上まわる過酷な競争のスタートであった。あまりの辛さに脱走を試みる者は後を絶たず、取り締まりを強化する学園側とのイタチごっこが続いている。 はたして学園のカリキュラムに従い卒業総代をめざすことが、本当にエリートへの道なのか? 疑問を持ったアキラとシゲルは、学園の深部に分け入り、これまで明かされなかった秘密を目の当たりにする。 評価=☆☆☆☆ (5つ星が満点) 地球は環境汚染が進み、日本人に許された仕事は廃棄物処理だけ。サブカルチャーは一部の伝統芸能を除いて全て禁止された近未来社会。 フィクションとはいえ、作家さんにとっても、読書を愛する人々にとっても笑えない状況です。 しかし序盤でいきなり 「卒業総代になりたいかーっ!」ときて、「大東京学園入学選抜ウルトラ・クイズ」が始まりますからね。最初は早押しです。ピンポーン。 ライトノベルの味わいです。全編にちりばめられた昭和サブカルチャーの断片が微妙な笑いを誘います。 しかし殺傷や拷問のシーンは女性作家が書いたとは思えぬ凄惨さ。もし映像化するなら多少の調整は必要でしょうが、アニメーションではダメですね。昭和サブカルチャーをリアルに再現してほしいので、やはり実写でないと。 陽性の『バトル・ロワイアル』とでも言える仕上がりになるかもしれません。 というわけで妄想キャスティング。 華麗で端正な美少年の「アキラ」に……やっぱり藤原竜也、かなあ。  成宮寛貴でもいいかも。  「大東京学園入学選抜ウルトラ・クイズ」の場面には、やはり福留さんをお呼びしましょう。 ニューヨークへ行きたいかーっ!  
ジュアン・ベニートは、製薬会社会長のビセンテ・オルガスに誘われて、ミハスという村を訪れた。オルガス会長と食事をともにしながら打ち明けられたのは、ジュアンの母親に関わる秘密であった。 ミハス、ストックホルム、サンフランシスコ、ジャカルタ、カイロと、外国の都市を舞台にしたミステリー短編集。 評価=なし 途中リタイアです。 ミハスは「スペインで一番スペインらしい」と形容される村だそうです。しかし文中には特にミハスらしい美しい景色の描写は見られません。 そもそも物語の舞台を外国とする必要があるのかどうかが疑問です。ミステリー小説としてのコクも足りません。 
フジテレビの「ノイタミナ」枠で放送されているTVアニメ『図書館戦争』がDVD化された。全5巻。原作者の有川浩による書き下ろし短編のブックレットが全巻に封入される。 発売予定日は第1巻から、8月6日、9月3日、10月1日、11月5日、12月3日。 第1巻、第2巻が4,935円、第3〜5巻が5,985円。 アニメ『図書館戦争』公式サイトマイコミジャーナルの記事個人的には 実写ドラマ化を妄想した作品です。しかし現実には全く違う方向で萌えあがっておりますね。アニメキャラがかけているメガネが商品化されたとも聞きました。 原作小説は好きだったんですけどねえ。なんか遠くなっちゃったなあ。 「ノイタミナ」と呼ばれる枠で放送中とのことですが、そもそも「ノイタミナ」ってどういう意味なんでしょう……? 
ノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴのミステリー小説『白の闇』を映画化。 映画タイトルは『ブラインドネス』。日本公開は2008年11月。2008年5月14日に開幕するカンヌ国際映画祭のオープニング作品。 出演はジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、ダニー・グローバー、ガエル・ガルシア・ベルナル、伊勢谷友介、木村佳乃。 eiga.comの記事
2009年の春に公開される映画『ハルフウェイ』で、脚本家の北川悦吏子が初めて監督をつとめる。 脚本は自身のオリジナル。プロデューサーは映画監督の岩井俊二と、音楽プロデューサーの小林武史。 出演は北乃きい、岡田将生、成宮寛貴、白石美帆、大沢たかお。 SANSPO.COMの記事岡田将生さんのお名前は「まさき」と読むそうです。サンスポさんの記事で初めて知りました……。どうもありがとうございます。 北川さんのドラマはよく拝見しておりましたけれど、最近お見かけしないなぁと思っておりました。 ご健闘をお祈りいたします。 
25%以上の高視聴率を誇る人気ドラマシリーズ『ごくせん』が映画化される。 主演は仲間由紀恵。過去のシリーズの生徒役で人気を集めた若手俳優も出演予定。 ゲンダイネットの記事
ドラマ『花より男子』の映画版『花より男子F(ファイナル)』。原作漫画のエピソードを使わず、完全オリジナル脚本を採用し、ラスベガスでロケを敢行。 公開は2008年6月28日。 出演は井上真央、松本潤、小栗旬、松田翔太、阿部力。 挿入歌をaikoが歌い、主題歌を嵐が歌う。 SANSPO.COMの記事nikkansports.comの記事
早いですね。もう2008年の3分の1が終わっちまいましたよ。 さて今月のマイ・ベスト本は、 池澤夏樹『すばらしい新世界』。 風力発電によって本当に「すばらしい新世界」がひらけるのかどうか、ぜひ読んでお考えくださいませ。 本書ではチベット情勢にも少し触れています。 
ある事件にまきこまれ、成瀬純一(玉木宏)は脳に致命的な損傷を受ける。だが最先端の医療技術によって一命をとりとめた。 恋人の葉村恵(蒼井優)は帰ってきた純一を温かく迎えたが、事件前の純一とは様子が違うことに気づき、不安に駆られる。 東野圭吾の同名小説を映画化した作品。 評価=☆ (5つ星が満点) お正月の深夜にテレビで放送されたものを録画して、いまごろ見ました。 うーん……。 キャストは悪くないと思います。 けなげに恋人を支える女の子を演じる蒼井優は可愛いし、事件前と事件後のキャラの違いを演じ分ける玉木宏はなかなか芸が細かい。 しかしストーリーの要所要所がどうも不自然だし、彼らの行動ひとつひとつの動機がよくわかりません。それゆえ少しも感情移入できませんでした。 泣きモノの作品ですが、これでは泣きようがない。 たとえば純一(玉木宏)が、大切にしている日記をある人物に預けるシーン。 彼は脳の移植手術を受け、脳の提供者の人格に大きく影響されて、もともとは優しい人なのに、たいへん疑い深くなっています。 なのに、日記を預かろうという相手に対してはとても無防備。彼は「裏切らないか?」と聞き、相手が「裏切らない」と答えただけで、簡単に信用して日記を渡してしまう。 あとで「裏切ったなぁ〜〜〜」と吠えても、それは自業自得です。人を裏切る人間が「私は裏切りますよー」などと言うわけがない。 そもそも「脳を移植して、その提供者の人格に大きく影響される」という設定からして、すんなり受け入れられません。 こんなことが本当に起こりうるのか。脳の専門家に質問してみたいです。 
昭和38年、連続爆弾魔「草加次郎」が世間を騒がせている最中に、地下鉄で爆発事件が起こった。 たまたま現場に居合わせたトップ屋の村野善三は、またも「草加次郎」が動いたとみて取材に走る。だが女子高生殺しの疑いをかけられ、思いどおりに動けない。その中で村野は思いがけない真実を知る。 評価=☆☆☆ (5つ星が満点) 主人公の村野善三は、『 顔に降りかかる雨』と『 天使に見捨てられた夜』に登場する探偵の村野ミロの父親です。 「トップ屋」って何だろうなーと思ったら、週刊誌のトップ記事を書くフリーランスの記者のことでした。 村野が「私、こういう者です」と差し出す名刺には、『週刊ダンロン 特約記者 村野善三』とあり、それを見た刑事は「なんだ、トップ屋か」と蔑むように言います。トップ屋は、警視庁に記者クラブを置く新聞社の記者より一段も二段も低く見られています。 しかしトップ屋集団「遠山プロ」の男たちには、「おれたちが『週刊ダンロン』を支えている。警察発表の通りにしか記事を書けない新聞より、おれたちのほうが面白い記事を書ける」という自負があります。 村野は記事を書く筆力もさることながら、調査能力に秀でています。のちに記者から探偵へ転身したのは、そういう素地があったことも理由の一つでしょう。 そのころ『週刊ダンロン』編集部は、トップ屋を排除して社員だけでやっていきたい意向を見せ始めていました。『ダンロン』に限らず業界全体に「トップ屋はもう終わりだ」という空気が漂っています。 桐野作品はどれを見ても、こういう諦めの空気が漂っているようです。 探偵ミロシリーズでも、村野ミロは愛に傷ついているし、探偵業に情熱があるようにも見えないし、事件の関係者と寝ちゃうし……。諦めというか、けっこう投げやり。そんな調子で大丈夫かなあと思います。読んでいて、こんなに安心できない探偵も珍しいんじゃないかな。 そういう不安感と、結構オドロオドロしい事件の背景もあって、先を読みたい気持ちにターボエンジンがかかったのがミロシリーズでした。 いっぽう本書は、後年の村野善三の姿を知っている分、ターボエンジンがかかるほどのザワザワした不安感はなく、諦めの空気だけが澱んでいる。 それに連続爆弾魔であるはずの「草加次郎」が、途中から爆破をしなくなっちゃうんですよね。 ところどころに「これが草加次郎の正体か?」と思わせる人物は登場しますが、物語の焦点は女子高校生殺人事件に移ります。草加次郎のほうは……あれ? ん? うーん。そういうオチか。ちょっと不完全燃焼の感は否めない。 しかし村野善三は一連の事件で大切な友人を亡くし、トップ屋からの転身を余儀なくされます。彼にとっては青春時代の苦すぎる終幕であり、人生の大きな節目でした。 昭和38年に流行したファッションや人気スターの名前が文中にたくさん織り込まれていますが、それらと村野の青春時代の思い出は分かちがたく結びついているのでしょう。亡くなった友人は当時のファッションのまま、村野の記憶の中で永遠に生きつづけるのでしょう。 
監督は犬童一心。出演は小泉今日子、上野樹里、加瀬亮。 2008年9月に公開。 『グーグーだって猫である』オフィシャルサイトマイコミジャーナルの記事
| HOME |
次ページ≫
|